2018 年 21 巻 2 号 p. 31-39
目的:保健師が地域で生活する未治療・治療中断の統合失調症をもつ人の生活能力に視点をおいた支援を明らかにすることである.
方法:市町村保健センターで精神保健福祉相談を行った経験をもつ保健師10人を対象に半構成面接を行い,インタビュー逐語録を質的に分析した.
結果:保健師が行った生活能力に視点をおいた支援として9カテゴリー,42サブカテゴリーが抽出された.保健師は,【安心して相談できる人になる】【家族の危機状況を察知する】【困りごとにとことん対応する】【精神症状の世界を受け止める】という関係づくりを行うなかで,生活能力をとらえていた.そして,生活の場で保健師が継続的に関わるなかで,本人の生活能力として,【暮らしていける能力を見つける】ことを行っていた.そのうえで本人の生活能力に合わせ,【丁寧に医療につなぐ】【安定した在宅生活に向けて治療体制を整える】【途切れないように関わる】【生活の再構築に向けて次の支援者につなぐ】ことを行い,生活能力を見極めたうえで,治療につなげるだけでなく,患者の生活の幅を広げることを行っていた.
考察:保健師の地域で生活する未治療・治療中断の統合失調症をもつ人に対する支援は,【暮らしていける能力を見つける】という生活能力に着目していることが示された.この暮らしていけるという能力は,彼らが地域で生活していくうえで重要であると考える.