日本地域看護学会誌
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看護基礎教育における在宅看護教育の特性と教員が期待する実習成果との関連
竹内 千亜紀河野 あゆみ
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2021 年 24 巻 2 号 p. 50-58

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抄録

 本研究の目的は,現状の在宅看護教育の特性を明らかにし,効果的な実習モデルを提示するために,看護基礎教育における在宅看護教育の特性と教員が修得を期待する実習成果との関連を明らかにすることである.

 方法は,看護系大学247校の在宅看護担当教員を対象とした質問紙調査を実施した.分析対象は108校(有効回答率43.7%)である.調査内容は,基本属性,在宅看護実習体制の特徴,教員が修得を期待する実習成果には在宅看護実践行動と多職種連携行動に関するものとし,強制投入法による重回帰分析を行った.分析の結果,在宅看護実践行動期待項目平均得点は95.2点(SD19.2),多職種連携行動期待項目の平均得点は52.7点(SD11.8)であった.重回帰分析の結果,訪問看護実習日数割合が高い群は在宅看護実践行動期待項目得点が高かった(β=.187,p=.047).准教授以下の職位(β=.231,p=.019)や在宅看護教員経験年数が10年以上(β=.281,p=.004)の教員,学年定員が80名未満(β=-.237,p=.012),在宅看護独立型(β=-.209,p=.023)の大学は,多職種連携行動期待項目得点が高かった.

 本研究では,教員が修得を期待する実習成果を向上するために,訪問看護ステーションでの実習を保持することおよび在宅看護教育体制を多面的に整える必要性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本地域看護学会
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