日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
原著
日本人労働者のヘルスリテラシーの概念分析
帆苅 なおみ石川 麻衣松井 理恵佐藤 由美
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2022 年 25 巻 1 号 p. 12-20

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抄録

目的:労働者のヘルスリテラシーの概念を明らかにし,産業保健看護職による労働者のヘルスリテラシー向上の支援の示唆を得ることを目的とした.

方法:Rodgersの概念分析の方法に基づいて分析した.2008~2020年に公表された25文献(日本語文献23,英語文献2)を分析対象とした.

結果:【健康診断を有効な健康情報として理解し活用】【健康・仕事・家庭を連動させて理解】【健康・仕事・家庭の調和が出来る行動を実践】【社内外の専門家の支援】【同僚やパートナーからの支援】【同僚・職場・企業の健康づくりに寄与】の6つの属性および,6つの先行要件,3つの帰結が抽出された.

考察:労働者のヘルスリテラシーは「健康診断結果を有効な健康情報として理解・活用し,自身の健康を仕事と家庭を連動させて理解し,それらの調和が出来る行動を実践することであり,社内外の専門家や同僚やパートナーの支援を得ながら実施している.その結果,同僚や職場,企業の健康づくりにも寄与している.そして,それらにより,個人のセルフケア力を向上させ,健康状態を良好にし,健康的な職場・組織・企業を形成していくことである」と定義した.以上から,産業保健看護職の支援においては,健康診断の機会を活用することと労使協働での課題解決を促進することが重要であるという示唆を得た.

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© 2022 一般社団法人 日本地域看護学会
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