2023 年 26 巻 3 号 p. 21-30
目的:地域包括支援センターの看護師が行う地区活動の特徴を明らかにする.
方法:委託型地域包括支援センターで地区活動を実践する看護師6人に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.
結果:分析の結果,7つのカテゴリーが抽出され,【住民がその人らしく暮らせる形を模索する】【住民の困りごとに早期に気づける環境をつくる】【住民の悩みを解決できる人や場所を探す】【多職種とともに在宅生活の継続に向けた資源をつくる】【地域課題への取り組みを住民とともに検討する】【住民同士のピアサポートの機会を設ける】【介護予防に取り組む住民活動を支援する】が明らかになった.
考察:地域包括支援センターの看護師は個別事例のニーズと支援を起点として,個人が望む生活を体現するべく,地域への理解を深め,住民や関係職種と協働しながら在宅生活を支えられる地域づくりを推進していた.個別事例に向き合うなかで地域を支援対象とする必要性を認識していたが,個人の経験や環境により差があると考えられるため,地区活動の視点を身につける仕組みづくりの必要性が示唆された.