日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
老人クラブへの会員の出席状況とその関連要因についての検討
尾﨑 伊都子柳堀 朗子白井 みどり門間 晶子山口 洋子
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 8 巻 1 号 p. 13-23

詳細
抄録

目的:老人クラブへの会員の出席状況とその関連要因を明らかにし,その活動と支援のあり方を検討することである.方法:愛知県A市B区の17の老人クラブ会員921人を対象に,自記式調査票を用いて調査した.老人クラブへの出席状況(ほとんど出席,時々出席,欠席)を目的変数とし,その関連要因として設定した項目(属性,健康状態・活動能力,社会活動,老人クラブ以外のグループ活動,居住地域との関わり・環境,老人クラブでの活動と満足感)との関連を,χ2検定と一元配置分散分析により分析した.結果・考察:1.分析対象728人(82.1%)のクラブ出席状況は,ほとんど出席182人(25.0%),時々出席249人(34.2%),欠席297人(40.8%)であった.2.社会活動や老人クラブ以外のグループ活動の実施状況が低い者は,クラブ出席状況も悪く,老人クラブを含めた社会活動への参加には活動能力の維持が必要と考えられた.3.クラブ出席状況と活動能力との関連から,「欠席」群には活動能力が低下して出席が困難な状態にある者,活動能力は維持しているが出席に積極的な意義を見出せていない者がいると考えられた.4.クラブでの役割や活動への積極的な関わりは,出席を決める重要な要素になっているが,それが出席者の固定化という問題を招いている可能性が示唆された.結語:老人クラブは身近な社会参加の場として,活動能力の低下した者も出席できるような支援が必要である.また,運営方法や活動内容を見直し,欠席会員の出席の動機を高めていくことも必要と考えられた.

著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本地域看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top