抄録
学校現場では授業や授業準備と同等に学級経営が大切であると認識している。反面,教育研究に目を向けると他の分野領域と比較して学級経営の研究の蓄積が圧倒的に少ない。その現状と理由を過去の研究をもとに整理した。
また,整理をもとに学校現場の必要性,世の中の動向を考慮して今後の学級経営研究の方向性を示した。その結果,(1) 量的な調査研究を主に取り入れて「要因分析的研究」と「学級風土・実態測定」を結びつけて進めていくこと,(2)質的な調査研究を主に取り入れて「実態把握的研究」と「個別の教師や子どもの事例」を結びつけて進めていくことが示唆された。加えて(1)学級経営の研究蓄積が少ないので早急に研究を進めていくこと,(2)学習者中心の教育に見合った学級経営研究を進めていくこと,(3)今の世の中に適した個人から見た学級への捉え直しが必要だという考えをまとめた。