日本学級経営学会誌
Online ISSN : 2434-7760
1 巻
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 赤坂 真二
    2019 年1 巻 p. 1-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
     新学習指導要領において意味の再確認がなされた学級経営は,学習の成立,教科指導,特別支援教育などの視点からもその重要性が指摘される。しかし,その成り立ちの経緯から教育現場では多様な捉えが存在し,明確な定義が見当たらない状況である。今後は学級経営に関する科学的根拠をもった実践研究の積み重ねと共に学級経営を学ぶ体制の整備が求められる。
  • 阿部 隆幸
    2019 年1 巻 p. 5-8
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
    学校現場では授業や授業準備と同等に学級経営が大切であると認識している。反面,教育研究に目を向けると他の分野領域と比較して学級経営の研究の蓄積が圧倒的に少ない。その現状と理由を過去の研究をもとに整理した。
    また,整理をもとに学校現場の必要性,世の中の動向を考慮して今後の学級経営研究の方向性を示した。その結果,(1) 量的な調査研究を主に取り入れて「要因分析的研究」と「学級風土・実態測定」を結びつけて進めていくこと,(2)質的な調査研究を主に取り入れて「実態把握的研究」と「個別の教師や子どもの事例」を結びつけて進めていくことが示唆された。加えて(1)学級経営の研究蓄積が少ないので早急に研究を進めていくこと,(2)学習者中心の教育に見合った学級経営研究を進めていくこと,(3)今の世の中に適した個人から見た学級への捉え直しが必要だという考えをまとめた。
  • 学級経営案の目標達成への努力事項を元に
    岡田 広示
    2019 年1 巻 p. 9-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
    本稿では,教育評価研修で用いられることが多いグループ・モデレーションを学級経営評価でも実施することにより,教師の児童生徒に対するみとりの観点の増加や技量の向上に関する効果を検証したものである。学校現場では学級経営は担任一人に任されるケースが多く,若手教師にとって大きな課題の一つになっている。しかしながら,多くの業務に時間を取られ学級経営を満足研修する機会が少ない。そこで短時間でも効果の大きい研修としてグループ・モデレーションを採用して学級経営に関する研修を行った。
  • 近藤 佳織
    2019 年1 巻 p. 13-16
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
    円形で行う,輪番に発言する,否定せず聴くなど参加者の対等性を保障した先生の「クラス会議」を2013年4月から6年間,毎月実施した。相談者が肯定的な態度で話を聴いてもらうことで癒しの場になると共に,解決策から自分の考えの広がりや気づきを得て,今後の行動への具体的な決意になる場として機能したことが相談者の感想から分かった。
    また,話合いで出された解決策をスケッチブックにグラフィックレコーディングし,解決策を選択する際に場で共有した。話合いが可視化されること,相談者が出来事や感情を再確認することで悩みから距離を置くことができた。スケッチブックを囲むことで,相談者と参加者の対話が促された。
  • 向山洋一と村山俊太郎の学級経営案を通して
    佐内 信之
    2019 年1 巻 p. 17-20
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
    村山俊太郎の「尋六の学級経営」は1938(昭和13)年に作成された。ちょうど40年後の1978(昭和53)年,向山洋一の「六年一組学級経営案」が登場した。さらに40年が過ぎて,そろそろ両者の「改訂版」が出ても良い時期だと思われる。そのためには,村山と向山の学級経営案から引き継ぐべきものは何か,具体的な検討が必要である。
    今回の研究では,村山の「学級の生活標語」と向山の「級訓」を手がかりに,学級目標における「個」と「集団」の関係について考察した。特に,強い「個」が成長するための「集団」を組織しようとする点に両者の共通点が見られる。そのため,学級経営案の全体構成も,「個」の実態を分析するとともに,「集団」の環境を調整する方法が示されている点に特徴がある。
    今後の課題としては,「個」の実態,あるいは「集団」の環境の検討が求められる。具体的には,両者の学級経営案に出てくる「自治組織」「教室文化」などのキーワードを手がかりに,村山と向山の膨大な文献を一つ一つ,丁寧に読み解く作業が必要になるだろう。
  • 「対話」的支援の提案
    山田 洋一
    2019 年1 巻 p. 21-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
    学級経営に困難を抱える教師への支援がうまくいかないのはなぜなのか。その要因を情報工学的モデルによって解明し,それにかわるコミュニケーションとして,社会構成主義的なモデルを採用する。これによって学級経営に困難を抱える教師のための効果的な支援の在り方をとらえ直し,その手法として「対話」的な支援を提案する。
  • 山田 雅彦
    2019 年1 巻 p. 25-34
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
    本研究の課題は,順調な学級経営のために重要であるとされる生活規律・学習規律の徹底と教師から児童・生徒への受容的・心情的なかかわりが,学級内の人間関係に及ぼす影響を明らかにすることである。小学校教師を対象に質問紙調査を実施し,第1学年から第6学年までの担任学級に関する395人の回答を因子分析した結果,教師が学級経営を理解・評価する観点として,受容的・心情的かかわりに相当する「受容」,生活規律に相当する「しつけ」,教師との節度あるかかわりを含めた学級内の一体感「和やか」,教師同席の場で児童がルールを守る「秩序」の4因子が得られた。互助的行動を下位尺度とする「和やか」を学級経営の目標とする仮説モデルを作成して共分散構造分析を行った結果,「秩序」からのみ,「和やか」への直接の影響の可能性が示された。「受容」から「和やか」へは,「秩序」および「秩序」に影響を及ぼす「しつけ」へのパスを通じた間接的な影響の可能性が示された。「秩序」には「受容」「しつけ」両因子とも正の影響を及ぼしているものの,「しつけ」の方がより強い影響を及ぼしている可能性が示された。これにより,規律の徹底と受容的・心情的かかわりは学級経営に各々独立して影響を及ぼすのではなく,受容は生活規律を介して児童相互の関係に間接的に影響を及ぼしている可能性が示された。
  • 2019 年1 巻 p. 35-37
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/07
    ジャーナル フリー
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