抄録
本研究は,クラス会議に対する児童の認識について,探索的に検討し,基礎的知見を得ることを目的とした。「親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」での小学校高学年児童(N=96)に対し,クラス会議に対する肯定的な認識,否定的な認識,クラス会議中における意識についての自由記述調査を行った。自由記述の回答を質的に整理・分析した結果,クラス会議に対する肯定的認識は,「基本姿勢・態度」「メンバーとの関係性」「クラス会議の実施」「意見交流」「発言」「話合い進行」の合計6つのカテゴリー,21の概念が生成された。クラス会議に対する否定的認識は,「話合い進行」「基本姿勢・態度」「メンバーとの関係性」「クラス会議の実施」の合計4つのカテゴリー,11の概念が生成された。クラス会議中における児童の意識は,「基本姿勢・態度」「話合い進行」「意見発表」「メンバーとの関係性」の合計4つのカテゴリー,18の概念が生成された。この結果,「親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」での児童はクラス会議に対して,「基本姿勢・態度」「話合い進行」「メンバーとの関係性」について,肯定的な面も否定的な面も認識しており,よりよいクラス会議となるよう意識して取り組んでいることが明らかとなった。