日本学級経営学会誌
Online ISSN : 2434-7760
共同体感覚を育成するための学級活動を中核としたカリキュラム・マネジメントに関する事例研究
「ステーション授業構想」をもとにした取り組みを通して
鳥居 明日香大塚 祐一郎須山 諒深瀨 和朗矢野 保志斗赤坂 真二
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2022 年 4 巻 p. 37-46

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抄録

本研究では,学級活動を中核としたカリキュラム・マネジメントとして,学級活動においてクラス会議で用いられる対人 技能を指導し,その対人技能を生活や学習指導の中で日常化や一般化を図る「ステーション授業構想」をもとに取り組むこ とが,共同体感覚に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。「ステーション授業構想」をもとに,カリキュラ ム・マネジメントの中核となる学級活動ではクラス会議で用いられる対人技能を重点的に学び,学級活動で学んだ対人技能 を学習場面において一貫して指導した。その結果,共同体感覚全体に有意な上昇が見られた。学級活動の感想からは,児童 が対人技能のよさや価値に気付いたと示唆された。児童へのアンケートから学習場面や生活場面において,クラス会議で用 いられる対人技能を活用していたと認識していたことがわかった。実際の学習場面からは対人技能を活用する姿が見られた。 以上から,学級活動を中核としたカリキュラム・マネジメントとして,「ステーション授業構想」をもとに取り組むことで, 児童が対人技能のよさや価値に気付き,学習場面や生活場面で対人技能を活用することにつながり,共同体感覚育成に効果 があったといえる。

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© 2022 日本学級経営学会
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