抄録
本研究は,勇気づけの理論や技法を援用したフィードバックモデルを作成し,それを活用した教師によるアプローチが,学級内における共同体感覚および学級雰囲気に対してどのような影響をもたらすか検討を行った。教師による一斉指導の授業において勇気づけのフィードバックを継続的に行った結果,児童が認知する共同体感覚や学級雰囲気にポジティブな影響を与える可能性が示唆された。また,努力や過程を重視するフィードバックは,共同体感覚尺度の向上とともに学級雰囲気尺度の下位尺度「意欲」の向上や「楽しさ」の維持につながっていくことや,貢献や協力に注目する声掛けや,すでに達成できている成果に注目するフィードバックを積み重ねていくことは下位尺度「認め合い」や「反抗」の上昇を確認した。このように,児童がとった行動に対して承認し,受容的なフィードバックを積み重ねていったことにより,良好な学級の雰囲気が醸成されていった可能性が明らかとなった。