抄録
本研究は,「他者と気持ちを共有できた経験」および「他者と気持ちを共有できなかった経験」の 2 側面からなる共感経験と,高い目標を成し遂げようとする達成動機,人間関係を維持しようとする親和動機との関連を検討することを目的とした。調査対象は,大学 2 年生~ 4 年生 106 名であった。分析の結果,他者と気持ちを共有できた経験だけでなく,共有できなかった経験も高く有している「両向型」の類型において,達成動機と親和動機の双方からの高まりがみられた。本研究の教育的示唆として,学校教育現場における体験活動の視点から,他者との協働における関わり方や学び方についての考察がなされた。