学級経営心理学研究
Online ISSN : 2434-9062
小学校2年生の支援のあり方に関する一考察
―進級時における担任替えの有無に注目して―
武蔵 由佳河村 茂雄河村 明和
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2022 年 11 巻 1 号 p. 9-18

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抄録
近年,生徒指導面で小学校 2 年生の暴力行為は激増し,いじめ問題では小学 1 年生~高校 3 年生までの中で最多になっており,小学校 2 年生の学級経営には細やかな配慮が求められており,その対応の一つとして,学級編制替えでの工夫があると考えられる。児童のメンバー構成を替える・替えない,担任する教師を替える・替えない,この 2 要因の組み合わせである。本研究で対象とした A 市では,小学校 1 年時から 2 年時の進級時には,児童の生活変化が大きくならないように児童のメンバー構成を替えないという方針をとっていた。ただし,担任する教師の交替は各学校に任されていた。本研究では,A 市の 6 校の小学校の 201X 年度に 1 年生で 201X+1 年度に 2 年生だった児童を対象にして,学級編制替えのあり方と児童の学級生活満足感と意欲(スクールモラール)を比較分析して,効果的な学級編制替えのあり方を検討することを目的とした。その結果,2 年生では,①メンバー構成替え無し,担任替え無しの学級と,②メンバー構成替えは無いが,担任替えがあった学級とでは,①の学級編制の方が,つまり担任教師が持ち上がった方が学級集団内の人間関係が安定していたことが示された。メンバー構成が同じで,かつ,担任が同じだった場合は学級経営に変化が少ないため,1 年時に獲得されたソーシャルスキルが,2 年時になっても持続して活用できる可能性が高く,それが学級内の人間関係を安定させる可能性があると考えられる。以上から,小学校 2 年生に対しては,メンバー構成替え無し,担任替え無しの学級編制は,人間関係の変化を抑えて学級環境の安定に作用する可能性があることが考察された。
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© 2022 日本学級経営心理学会
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