学級経営心理学研究
Online ISSN : 2434-9062
高校へ不本意入学した不登校生徒への援助
―現在と未来を統合した未来展望の視点から―
木村 佳穂苅間澤 勇人
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2014 年 3 巻 p. 86-94

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抄録
本事例は,不登校生徒を多く受け入れている私立高校で相談室の非常勤職員として勤務する報告者が,不登校におちいっている女子生徒に対して援助を行った事例である。不登校の背景に強い対人不安と不本意入学があり,他校への再受験の希望があった。報告者は女子生徒の将来に対する考え方から,時間的展望の視点からの援助を行った。当初,女子生徒の未来展望は現実に即さない楽観的な未来志向であった。そこで報告者は女子生徒に対し,未来目標を具体的に思考する活動を行わせ,現在と未来を統合した上での未来展望の穫得を目指した。その結果,現在の自分の状態を正確に認識した上で「この先どうするのか」という連続性のある思考を導き出すことができた。また,現在をより深く内省することで内面的成長が促進された。現在と未来を統合した将来に関する具体的な思考は,不登校生徒の進路形成において有効な方法であることが示された。不登校生徒の持つ時間的展望の特徴を把握し支援に繋げることは,効果的な援助方法の1つであるとであると考える。
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© 2014 日本学級経営心理学会
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