抄録
本研究は,高校教師の特別支援教育におけるイラショナル・ビリーフに着目し,学力上位校・学力中位校・学力低位校の3つの学校タイプに分けてその様相を検討することを目的とした。調査対象は,A県の高等学校の教師190名(男性141名,女性49名)である。特別支援教育に対するイラショナル・ビリーフ尺度(宮木,2015)の下位尺度である「特別視への抵抗」について検討した。結果,学力上位校・学力中位校に比べて学力低位校において「特別視への抵抗」得点が有意に高いことが示された。このことから,高校教師の特別支援教育に関する「特別視への抵抗」のビリーフには,学校タイプによる差異がみられることが明らかになった。以上より,特に学力低位校においては「個々の生徒の特性や多様性を考慮した指導」に関する教師の理解と専門性を高めることが求められる。