2009 年 13 巻 1 号 p. 64-73
東京海洋大学では学生証と一体化した端末認証用のICカードを2006年9月より導入した.本稿では,3年間のICカード学生証の運用状況を調査し,セキュリティと効率面から評価し,今後の展開について考察した.ICカードを学生証と一体化することで,学生への一括配布や再発行業務の一元化などカード関連業務の軽減につながったと考えられる.一方で,現行のICカード仕様,運用統計を詳しく分析した結果,カード再発行業務,費用,ICメモリ有効利用等に関わる問題点が明らかになった.これらの現状を踏まえ,次期更新に向けてより一層の安全性と効率化をめざしたICカードの運用方法について議論した.