電力不足に起因する節電対策については,本学においても喫緊の課題となっており,講義室の空調をはじめ屋内照明等についても積極的に節電対策を実施している.我々が管理する学内情報機器の節電に当たっては,PCへの対策は当然ながらサーバー機器への対策も考えなくてはならない.サーバー機器はサーバー室に集中配置していることから,排気によるサーバー室温上昇を防ぐため空調による適切な冷却が必要である.しかしながら,サーバーの安定動作を求めるあまり,空調の設定温度を必要以上に下げてしまう傾向がある.その結果,無駄な電力を消費することとなり,Power Usage Effectiveness(PUE:電力使用効率)を悪化させる要因となる.本論文では,サーバー環境温度の調査結果について報告し,サーバー機器の吸気・排気・CPU温度および外気温に関連して考察した.今回の調査では,マイクロソフト社の提唱する27℃設定は妥当性のあるものであることが確かめられた.なお,本研究を実施するにあたり,偶然に空調機器故障が発生し,サーバー室の温度上昇によるシステムダウンが発生するまでの実測結果を得た.これらの実測値を利用し,サーバー室の環境温度を考察した.