2011 年 15 巻 1 号 p. 125-133
近年,監視カメラは多くの場所に設置され,防犯などに利用されている.監視カメラは少人数で広範囲を監視できるという利点があるが,従来は専用機器を必要とする高価なシステムであった.そこで我々は2001年頃からIPカメラを利用した監視カメラシステムの開発をしてきた.このシステムは民生用ネットワークカメラ(HTTP,FTP対応のIPカメラ)を利用しており,蓄積画像検索機能や携帯端末への通報機能を有している.さらに狭帯域のサテライトキャンパス監視に向けた拡張システムを開発している.このように学内の監視カメラの増設,システムの改修を続けてきたが,ネットワーク管理部門である総合情報メディアセンターの役割はシステムの構築と運用であり,学内監視は別部門の役割である.今後は他部門での利用を考えた運用,改修をおこなう必要がある.本稿ではこれまで構築してきた監視カメラシステムの概要と他部門運用に向けた今後の展開を述べる.