2011 年 15 巻 1 号 p. 46-52
新潟大学では,平成19年1月に教育用コンピュータシステムを更改し,これまでのローカルブート形式の教育用パソコンから,ハードディスクを搭載しない,ネットワークブート形式の教育用パソコンに転換した.本システムの導入当初は教育用パソコンの起動時間が安定せず,これまでに様々な対策を講じてきた.このようなネットワークブート形式のシステムでは,教育用パソコンの起動時間に影響を与える要因を特定することが非常に難しく,ポイントのはずれた対策は莫大な時間とコストを浪費するだけである.新潟大学では,教育用パソコンの起動時間の短縮に効果的な要因を探るため,ネットワークブートサーバのハードディスク性能とネットワーク帯域を変更し,複数の組合せに対して教育用パソコンの起動時間を計測した.その結果,起動時間には,ネットワーク帯域の増強が大きく影響し,ハードディスク性能は大きく影響しないことが分かった.本論文で上記の実験結果を報告する.