学術情報処理研究
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Print ISSN : 1343-2915
原著論文
学術情報基盤へのクラウド全面適用経緯と効果
井上 春樹長谷川 孝博山﨑 國弘高田 重利望月 邦昭松村 宣顕古畑 智博
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2015 年 19 巻 1 号 p. 94-104

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抄録

静岡大学では,2007年より「BCP(ビジネス継続計画,Business Continuity Plan)」「コスト削減」「環境負荷低減」「情報セキュリティ管理確立」「ITコンプライアンス確立」そして「大学のあらゆる活動のグローバル発信実現」など,様々な課題克服を目的に大学の情報基盤の全てに対するクラウドコンピューティング(クラウド)化を推進してきた.その結果,2010年10月には第1期クラウド情報基盤の構築を完了した.その後の4年間の運用を通して様々な課題を抽出し改善策をまとめた.2014年3月にはそれらの課題に対する施策を実施しさらに強力な第2期クラウド情報基盤とすることができた.この結果322台のサーバをパブリッククラウドに移行完了,59.5%の電力費用低減,4年連続100%稼働率の達成など多くの成果を確認した.また,これらのサービスに関し実際の利用者にアンケートを行い,良好な回答を得ることが出来た.本稿では2007年から2015年6月までの本学におけるクラウドの導入内容,実績,および定量的な効果を報告し,最後に情報発信センターをゴールとする今後の第3期クラウド推進内容について述べる.

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© 2015 学術情報処理研究編集委員会
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