日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
気胸を契機に診断が得られた好酸球性肉芽腫症の1例
樋口 光徳鈴木 弘行塩 豊山田 文彦星野 実加大杉 純米地 敦斎藤 隆晴長谷川 剛生後藤 満一
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 21 巻 4 号 p. 581-584

詳細
抄録
好酸球性肉芽腫症はLangerhans細胞を含む肉芽腫性病変を主体とする原因不明の疾患と定義されており,喫煙者に好発するが,禁煙により予後の改善がみられる.進行例では呼吸不全により死亡にいたることもある.また,嚢胞性病変を有し,しばしば難治性気胸を併発する.我々は,気胸を契機に好酸球性肉芽腫との診断が得られた1例を経験した.気胸と診断された症例の中には本疾患を合併することもあり,病態を的確に把握して適切な治療を行なう必要があると考えられたので報告する.症例は36歳,男性.Brinkman index400.他疾患のリハビリ中に気胸を併発し,当院入院となった.術前画像から肺の基礎疾患として好酸球性肉芽腫が疑われた.気胸に対する手術の際に肺生検も施行し,病理診断にて確定診断が得られた.術後は禁煙を徹底し,術後11ヵ月経過した現在,本疾患の増悪・気胸の再発なく経過している.
著者関連情報
© 2007 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top