抄録
CTでは胸水,胸膜結節を認めなかったが,PET CTにて胸膜へのFDG集積を認めた癌性胸膜炎の症例を経験した.60歳女性.56歳時,高分化肺腺癌,pStage IAにて右中葉切除とリンパ節郭清術を受けた.3年9ヵ月後のCTで,上葉との葉間切離部断端再発と残存下葉の異時性多発癌を認め,開胸術を行った.術前CTでは,癌性胸膜炎を疑う所見はなかった.PET CTで,断端再発病巣の他に第8胸椎近傍の胸膜にもFDGの集積があった.術中所見と病理組織診断で,この集積が癌性胸膜炎病巣であることが判明した.肺癌症例において,CTで胸水や結節影を認めなくても,PETで胸膜にFDGの集積があれば,癌性胸膜炎を念頭に置いて,手術適応を慎重に検討すべきであると考えられた.