日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
胸腺発生大細胞神経内分泌癌(LCNEC)の一切除例
小川 裕行田中 雄悟若原 鉄平田内 俊輔内野 和哉吉村 雅裕
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2011 年 25 巻 2 号 p. 198-202

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抄録
症例は59歳女性.検診にて胸部異常陰影を指摘され,縦隔腫瘍が疑われたため精査加療目的にて当センターに紹介となった.胸部CTでは上縦隔に59×31×28mm大の境界明瞭で辺縁優位に造影される長楕円形の腫瘍を認めた.PET-CT検査では同部位にFDGの集積(SUVmax 7.34)を認め,上縦隔腫瘍(非浸潤性胸腺腫疑い)の診断で手術を行った.腫瘍は左肺上葉と左横隔神経に一部浸潤していたが,合併切除により完全切除された.病理組織診の結果,腫瘍は胸腺発生の大細胞神経内分泌癌(LCNEC),正岡分類stage IIIと診断された.術後,縦隔への放射線照射(50Gy/25Fr)を行い,現在術後6ヵ月経過しているが無再発生存中である.胸腺発生の大細胞神経内分泌癌は極めて稀な疾患であり,若干の文献的考察を含め報告する.
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