日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺大細胞神経内分泌癌の切除後に発生した肺MALTリンパ腫の1切除例
西川 仁士林 同輔
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2021 年 35 巻 7 号 p. 786-790

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抄録

肺大細胞神経内分泌癌の切除後発生した肺MALTリンパ腫を切除した稀少症例を経験したので報告する.症例は70歳代女性.右肺癌にて右下葉切除術を施行した.pT1bN0M0 stage IA2,組織型は大細胞神経内分泌癌であった.術後経過観察中5年目の胸部CTで右肺中葉にスリガラス陰影が出現し増大傾向を認めたため,第二肺癌cT1aN0M0 stage IA1の疑いとして胸腔鏡下右中葉切除術を施行した.病理組織学的に肺MALTリンパ腫と診断された.術後8ヵ月現在無再発で経過観察中である.MALTリンパ腫は様々な要因による慢性炎症が関与しているといわれているが,肺癌に併発した肺MALTリンパ腫の報告は少ない.両疾患の関連性や治療方針について明らかにするためにさらなる症例の蓄積が必要である.

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