日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
胸腺内転移を認めた胸腺カルチノイドの1例
鳥居 敬橋本 隆彦紫田 和男山川 洋右正岡 昭
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 10 巻 6 号 p. 674-678

詳細
抄録
症例は36歳男性.検診にて胸部X線上異常陰影を指摘され, CT, MRIにて前縦隔腫瘍を認めた.1989年10月26日, 胸腺腫等を疑い手術を施行した.胸腺左葉下極に最大5.6×5.2×2.8cmの腫瘍が存在し, 両葉にわたりさらに3個の腫瘤を認めたため, 前縦隔脂肪織を含めて拡大胸腺摘出術を施行した, 脂肪織中に腫大した前縦隔リンパ節を伴っていた.組織学的には定型的カルチノイドであった.また胸腺のリンパ管内に腫瘍塞栓を認め, 胸腺内多発腫瘍は臓器内転移であると考えられた.
著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top