日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
II期非小細胞肺癌切除例の検討
山岡 憲夫内山 貴堯中村 昭博森永 真史
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 11 巻 6 号 p. 710-716

詳細
抄録

II期非小細胞肺癌切除41例の予後因子や術後補助療法などを検討した.T1, 16例, T2, 25例で全例R2以上の治癒切除例であった.5年生存率, 10年生存率は各々47, 3%, 36.8%であった.単変量解析で有意差のある予後因子はなかったが, 扁平上皮癌が腺癌より予後良好の傾向があり, またリンパ節転移部位別で肺門リンパ節の転移例が肺葉リンパ節のみの転移例より予後不良の傾向があった.II期の術後に化学療法を14例, 放射線療法を12例に施行したが, 手術単独14例と予後に差はなく, 術後補助療法の効果はみられなかった.組織型別で扁平上皮癌のII期の予後は1期と差はなく良好であったが, 腺癌のII期の予後はIIIA期と同等に不良であり, II期の腺癌は進行癌とみなして治療にあたるべきと思われた.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top