日本呼吸器外科学会雑誌
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肺癌肺葉切除術及び肺全摘除術後の右心機能の検討
櫛田 正男大石 明雄管野 隆三矢内 康一森山 厚藤生 浩一鈴木 弘行塩 豊井上 仁元木 良一
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1997 年 11 巻 6 号 p. 736-744

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抄録

肺癌肺葉切除術群 (L群) 35例, 肺全摘除術群 (P群) 16例を対象とし, 術後の右心機能の変化を検討した.肺葉切後の右心後負荷の増加は軽度であった.一回拍出量は右室拡張末期容量の低下が原因となり低下したが, 心拍数の増加に伴い心係数は増加した.肺葉切後は右心機能は維持されていた.肺全摘後は右心後負荷の著しい増加があった.一回拍出量は右室駆出率の低下が原因となり低下した.心拍数は増加したが心係数は低下傾向にあり, 右室拡張末期容量は変化せず平均右房圧は上昇する傾向にあった.肺全摘後は代償能が限界にあり右心不全準備状態と考えられた.右室駆出率と右室拡張末期容量指数を含む循環動態を検討することにより, 右心後負荷の増加がもたらす右心負荷と代償についてより詳細に評価することができた.

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