日本呼吸器外科学会雑誌
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肺内リンパ節の臨床像と VATS 生検
大淵 俊朗加地 苗人竹内 惠理保森川 利昭加藤 紘之
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1999 年 13 巻 2 号 p. 122-125

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抄録

微小肺癌の鑑別診断として挙げられる肺内リンパ装置 (以下, 肺内リンパ節) 症例の臨床像とその手術適応について検討した.1996年から1997年までに当院でVATS生検を施行した肺内リンパ節症例10例 (男7例, 女3例, 平均年齢55。8歳) を対象とした.肺内リンパ節は全例下葉の胸膜直下に存在しており, 直径は平均5.9mmであった.喫煙者は6例 (男5例, 女1例) で, Brinkman Indexは平均1,141であった.発見動機は検診7例, 肺癌の術前検索2例, 人問ドック1例であった.CTによる画像診断では全例「肺内リンパ節の可能性が高い」と判断されていたが, 「肺癌が否定できない」として手術が施行された.肺内リンパ節生検が増加した背景には, ヘリカルCTとVATSの普及があると考えられる.画像診断が確定診断の根拠となり得ない現時点では, 肺内ジンパ節に対する確定診断のためにはVATS生検は有用であると考えられた.

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