日本呼吸器外科学会雑誌
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嗄声で発見された原発不明縦隔リンパ節腺癌の1例
佐藤 修二土屋 昌史斎藤 祐二塩谷 尚志秋葉 直志山崎 洋次
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2000 年 14 巻 7 号 p. 818-822

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抄録
症例は59歳の男性である.主訴は唆声で, 胸部CTにおいて大動脈弓下に腫瘤を指摘され, 精査加療目的で入院した.血清CEAは37.5ng/mlと高値を呈した.悪性腫瘍の縦隔リンパ節転移を疑ったが, 全身を検索しても原発巣は発見できなかった.確定診断を得るために手術を行った.左開胸を行うと, 大動脈弓下に腫瘤を認め, 左反回神経, 大動脈, 左主肺動脈, 左主気管支への浸潤を認めた.切除困難と判断し, 腫瘍の生検を行った.病理組織学的に低分化型腺癌と診断した.術後放射線照射を66Gy施行し, 血清CEAは4.6ng/mlまで低下した.本症例は比較的まれな原発不明の縦隔リンパ節癌と考えられた.
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