日本呼吸器外科学会雑誌
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外陰部に転移を来したACTH産生胸腺カルチノイドの1例
清水 克彦山下 芳典宮原 栄治峠哲 哉
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2000 年 14 巻 7 号 p. 841-845

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抄録
ACTH産生胸腺カルチノイドの1例を経験した.本症例は切除術後大陰唇に転移を来すという特異な経過をたどった.症例は26歳, 女性.Cushing症候群を疑われ精査したところ前縦隔に腫瘤を指摘された.異所性ACTH産生腫瘍として手術を施行し, 病理組織所見にてatypical carcinoidと診断された.切除により症状は軽快したが1年3ヵ月後に再増悪を来し, 外陰部 (右大陰唇) の硬結の生検より, 胸腺カルチノイドの外陰部転移と診断した.現在, 臨床症状は外来にてmitotaneの投与によりコントロールでき, 良好なQOLを維持している.ACTH産生胸腺カルチノイドの文献での本邦報告例15例について, 主に本疾患の転移・再発形式およびその治療について検討を加え報告する.
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