日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
4重複癌 (肺癌, 原発性肺平滑筋肉腫, 早期胃癌, 残胃癌) の1例
大熊 利之岩谷 和法池上 克徳本郷 弘昭
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 15 巻 1 号 p. 37-40

詳細
抄録

症例は69歳男性.約3年前に早期胃癌の診断にて幽門側胃切除術, 左肺上葉肺腺癌の診断で左肺上葉切除術を受けている.胸部X線写真上, 右中肺野の異常陰影を指摘され当科受診となった.腫瘍は増大傾向にあり, 悪性が疑われ右肺下葉切除術を施行した.病理診断は原発性肺平滑筋肉腫であった.また同時に残胃にも癌を認めたため右肺下葉切除術後32日目に残胃全摘術を施行した.今日, 重複癌は報告例も多いが, 重複癌の中に肺癌と原発性肺平滑筋肉腫を含む報告例はわれわれが調べた範囲ではない.極めて稀であると考えられるため若干の文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top