自然気胸に対する外科治療としての胸腔鏡下手術と開胸手術における, クレアチンキナーゼ (CK) 及びCRPを指標とし, 手術侵襲につき比較検討した.対象は, 1992年1月より12月末までの1年間に外科手術を行なった自然気胸の患者35例で, 腋窩開胸群 (28例) と胸腔鏡下手術群 (7例) に分け, 術後のCKとCRPを測定し比較した.両群で, 年齢, 発症回数, 発症から手術までの日数, 入院期間, 術後入院期間, 胸腔ドレーン留置期間, 手術時間等は, 両群間に差を認めなかった.CKは手術翌日, CRPは, 術後1日目と3日 目で有意に胸腔鏡下群が低く, 胸腔鏡下手術は, 開胸手術に比べ手術侵襲の点で優れていると考えられた.