1993 年 7 巻 7 号 p. 798-802
自然気胸症例50例に対して胸腔鏡下外科手術を施行した.その外科手術手技は, (1) 肺嚢胞 (ブラ・ブレブ) の処置, (2) 壁側胸膜切除術, (3) 化学的胸膜癒着術で, これらの3手技を「胸腔鏡下気胸治療の基本手技」とした.合併症は術中出血が2例 (11.8%), 肺損傷が1例 (5.9%) であった.胸腔ドレーンを抜管するまでの日数は, 5日±1日であった.最長2年6ヵ月の経過観察での再発数は, 基本手技の非適用期問 (1990.10~1991.8) が17例中3例 (17.6%) であったのに対して, 基本手技の適用期間 (1991.9~1993.3) は33例中0例 (0%) であった (p<0.01).この「基本手技」は極めて有効な治療法であると考えられる.