日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
肺に原発した悪性リンパ腫の手術経験
佐藤 伸之岡田 克典佐川 元保斉藤 泰紀小林 俊介岡庭 群二藤村 重文
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 7 巻 7 号 p. 839-844

詳細
抄録

55歳男性の右下葉に発生した肺原発非ホジキン悪性リンパ腫の一例を経験した.患者は胸部異常陰影にて精査目的に来院, TBLBでは慢性気管支炎の所見であり, 気管支鏡下吸引細胞診にて肺小細胞癌との診断であった.
CDDP, CPA, VCRによる化学療法施行の後手術を施行した.腫瘍は右S6にあり, 上下葉間を越え上葉及び上葉気管支周囲に浸潤していたため右肺全剔術を施行, 病理組織診にてB cell 系, diffuse, small cell typeの悪性リンパ腫との診断がっいた.縦隔リンパ節にリンパ腫の所見はなかった.術後ADM, CPA, VCR, PSLによる化学療法を施行したが間質性肺炎を合併し死亡した.剖検では縦隔, 左肺を含め他部位に悪性リンパ腫の所見はなく肺原発と思われた.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top