2020 年 8 巻 p. 55-70
本論文は、日本で開発され、オンラインで利用できる多言語アプリ「コトバハカセ」を用いて、日本の公立小学校で行われた複言語教育実践を報告する。まず、日本における複言語教育には二つの解釈があること、外国語教育が省察の要素を度外視してきたことを述べる。次に開発教材の背景について紹介し、そのあと、オンライン教材を使った授業の児童と教師の記録を分析することにより、複言語アプローチにおいてどのように省察が引き起こされるかを示す。そして最後に、教員養成への示唆について述べる。