本研究は,本学のカリキュラム実践の教育効果を検証することを目的としている.すなわち,2019年度に開始された本学のカリキュラムによって学ぶ学部学生がどのように教員になることと向き合っているのかをインタビュー調査によって明らかにすることになる.そのために,令和4年度に在籍していた1年次生から4年次生までの全員にインタビュー調査への協力依頼を行い,協力を得られた学生22名を対象にインタビューを実施し,学生の意識の変容を捉えることとした.本研究の調査は,対象となった学生が卒業するまでの間,継続的に実施するものであり,在学中の学生の成長を4年間の中で捉える点に特徴がある.
インタビュー調査からは,学生自身にとって他者とかかわり合いながら学ぶことの重要性が見出された.学生は,他者から励まされることにより自己を奮い立たせ,学生同士が共にかかわり課題を解決することに楽しさややりがいを見出していた.また,教育実習を通して,子どもとかかわることで,実際に子どもの姿が変化していくという経験や,子どもや保護者から敬意を持って接してもらったという経験が,教師になることを意欲づけていた.大学には,学生たちの4年間のカリキュラムを通した学びのなかに,如何にかかわりながら学ぶ場面を保証するかが問われていることが明らかになった.