抄録
本稿は、日本支援対話学会におけるAI活用の実践を通じて構築された支援的査読制度について報告するものである。当初の目的は、支援的査読を安定的に実施するためのAI査読実施基準を開発することであった。しかし運用を通じて、AI査読が研究内容の支援には有効である一方、原稿完成度の評価には限界があることが明らかとなった。その結果、AI査読と原稿完成度診断が区別されるようになり、さらに投稿前段階でのAI活用の有効性も確認された。これらの知見を踏まえ、本学会ではAI査読、原稿完成度診断、査読者による査読及び編集委員会による掲載判断を組み合わせた新たな査読制度を構築した。また、本実践を通じて、査読が投稿後の評価手続にとどまらず、投稿前の執筆支援としても機能し得ることが確認された。