抄録
本稿では、大学教育における多様な学生の学習機会を保障するための授業設計について報告する。近年、大学教育では学生の主体的な学びが求められているが、多様な事情を抱える学生への対応は依然として課題である。筆者は、ドラッカーの『非営利組織の経営』を基礎教材として用いた「非営利組織の経営」の授業において、授業動画の公開、毎回のレポート課題、期末レポートによる評価を組み合わせることで、欠席時でも学習を継続できる環境を構築した。実践の結果、履修者の単位取得率は90.0%となり、学生には社会課題への関心の向上やキャリア観の変化が見られた。本実践から、学ぶ自由とは単に出席を自由にすることではなく、多様な学生が学習機会へアクセスできる環境を整備することであると示唆された。