本稿は「コーチング心理学を学部生に教える」という英語論文(Steele & Arthur, 2012)の紹介であり、英国の大学生を対象に、その面接記録と内省記録を使って行われた質的研究として貴重なものである。コーチング理論に基づき、それを広く対人関係のなかで活用する「コーチング的かかわり」を人生の早い時期から経験的に学べれば、人は直接的で円滑な対人関係を作り上げる力を今まで以上に育めるようになる。欧米における実証的なコーチング研究が数多く日本に紹介されることで、日本におけるコーチングあるいはコーチング研究がさらに発展する。