2014 年 2 巻 p. 109-116
本稿は“Evidence Based Coaching Handbook”の内容を紹介したものである。『コーチング心理学ハンドブック』は、実践が先行していた日本のコーチング界に「心理学という学問からの理論づけ」を与えたが、コーチングを基礎づけるさまざまな心理学理論の紹介にとどまっており、エビデンスベーストなデータを充分に提示しているとはいいがたかった。また、これに続く専門的な翻訳書も出版されていなかった。こうした状況のなかで筆者が出会った“Evidence Based Coaching Handbook”(Stober and Grant eds., 2006)を、『コーチング心理学ハンドブック』の内容と対比しながら特徴を紹介していく。