2017 年 4 巻 p. 53-62
主体性に重きをおいた「引きだして、伸ばす」というコーチング的アプローチが、21世紀教育の主流になるというのが、本研究の結論である。 21世紀の教育改革には、対処療法ではなく根本療法が求められており、そのためには「否定主義」「減点主義」「同質性主義」から脱却し、「肯定主義」「加点主義」「多様性主義」へとシフトすることだ。 その具体的な手法の一つが、理論化、体系化、標準化されたアカデミック・コーチングである。教師の心構えに変革を起こし、教育改革の切り札の一つとなり、教育イノベーションをおこすに違いない。 現在の学生を、どのように主体性・能動性のある学生に変えるかについて議論する前に、教師自らが、いかに変わるかについて議論することが先決ではないだろうか。自分たちが変わらずにいて、学生だけを変えようとするのは、理にかなっていない。まず変わらなければならないのは、学生ではなく教師なのだ。まずは自分たちを変えよう。アカデミック・コーチングで。