2018 年 5 巻 p. 79-92
この論考では、いわゆる現代的なコーチングが形になった時代に、「日本的なもの」がそのバックボーンにどのような「思想的影響」を与えたのかを分析する。日本の武道を通した「禅」の思想がエサレン研究所を介してコーチングの誕生に影響を与えているとの仮説を得たが、直接的に「思想的影響」があったことを証明することは難しいという結論となった。しかし、まったく影響されていない、ということを証明するのも難しいため、確かにコーチングが存在している世の中を生きている我々にとっては、可能性として過去のどのような「思想的影響」を受けているのかを考えることは、現在と未来のコーチングの発展にとって、決して無駄ではないだろう。