抄録
本稿の目的は,高校生の一般的な情報力を特定するとともに,情報力と情報機器利用との関係性を明らかにすることである。愛媛大学では,文部科学省・大学教育加速再生プログラム「大学教育の到達点の高度化~早期の『動機付け』から『深い学び』へ」(テーマⅢ:高大接続)において,愛媛大学附属高等学校をモデル校として,2017年度よりICTを活用した早期・情報教育プログラムを実施している。そのなかで,高校入学当初にプレイスメントテストをおこない,その後,プレイスメントテストに関するアンケート調査および情報機器利用に関するアンケート調査をおこなった。プレイスメントテストの結果から,高校生の情報力が,大学初年次生より1段階低い状況にあることが明らかになった。さらに,プレイスメントテストの結果と情報機器利用に関するアンケート調査の結果を照査したところ,高校生の情報力を向上させるには,PC・タブレットの使用時間・用途が鍵となることが明らかになった。