日本糖尿病教育・看護学会誌
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総説
現象学的研究が記述した糖尿病者における病い経験の特徴に関する一考察
―哲学的基盤と研究デザイン・研究方法・結果の記述が調和し一貫性のある文献をもとに
細野 知子栩川 綾子
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キーワード: 糖尿病, 語り, 現象学, 文献研究
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2020 年 24 巻 2 号 p. 135-144

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抄録

【目的】糖尿病看護ではその人の経験をありのままに記述する現象学的研究が蓄積されている.本論文の目的は哲学的基盤と研究デザイン・研究方法・結果の記述に一貫性がみられた現象学的研究論文の検討を通じて,その背景とともに記述された糖尿病者における病い経験の成り立ちを明示することである.

【研究方法】電子データベースにおいて「糖尿病」and「現象学」で検索し,除外基準によって選定した論文の質をStandards for Reporting Qualitative Research(SRQR)で評価した.それらの論文から現象学的研究の哲学的基盤と研究方法の過程が調和し一貫性がある論文を選定し,その一貫性により明らかになったことを分析した.

【結果】対象の3論文では,糖尿病である身体の自覚,身体と意識が織りなすコントロールに関する経験が共通して記述されていた.

【考察】糖尿病である身体の自覚から時間性の変化が起こり,その人に見える状況や身体への気づかいが生まれて意識的な意思決定や自己管理につながっていた.哲学的基盤と研究の過程が調和し一貫性のある現象学的研究であるがゆえに,身体のふとした気づきが始点となる病い経験の成り立ちが記述され,その人が経験している身体を理解する重要性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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