2024 年 28 巻 1 号 p. 37-47
目的:糖尿病のつらさに着目し,抑うつ症状予防における療養支援を検討する.
方法:PubMed,CINAHL Complete,医中誌Webのデータベースを用いて,2020年8月までに公表された文献のうち選定基準により23文献を選出し分析した.
結果:抑うつ症状予防における支援は,【糖尿病と抑うつ症状の双方に着目した支援】【糖尿病のつらさに着目した支援】【負担感軽減とQOL維持にむけた多職種連携による支援】【セルフケアと自己効力感を向上する支援】【糖尿病治療と患者の特性やニーズに応じた社会的支援】であった.
結論:糖尿病のある人が生活の中で生じる糖尿病のつらさと糖尿病の由来に限らない抑うつ症状の兆候を捉え,多職種連携により,治療や生活に伴う負担軽減を図る.セルフケアのつらさを理解し,セルフケアを高める時機を見極め工夫する.ライフステージにおける各局面から生じる糖尿病のつらさを見据えた社会的支援の必要性が示唆された.