アート・ドキュメンテーション研究
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百貨店美術部の活動を記録する
髙島屋美術部を事例に
渡邉 美喜
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 18 巻 p. 12-26

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抄録
百貨店を会場とした美術展やそれに類する文化的な催事は、日本の美術界特有の現象であると指摘されてきた。しかしながら百貨店を会場として、美術作品を展覧することが目的のもの(美術館的催事)と、美術作品を販売することが主たる目的である催事(画廊的催事)がともに行われ、またこうした催事が行われるに際し、いかなる組織が百貨店の内と外で関与しているかに対して、あまり関心が払われていない。
そこで本論文は、百貨店の催し会場の仕組みを明らかにしたうえで、百貨店内の一つの組織が単独で運営する美術画廊催事に着目した。髙島屋美術部を事例にとり、歴史的な経緯とこれまでの髙島屋刊行物に記載された活動記録について検討を行う。さらに今日、髙島屋美術部で生み出されている記録類を明示し、それをもとに網羅的な催事記録を作成した。年間における催事の頻度、制作物の数などをまとめ、百貨店美術部の活動を考える上での基盤資料の構築を試みた。
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© 2011 アート・ドキュメンテーション学会
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