抄録
ミュージアム・アーカイブズとは、どのようなものか。しばしば、デジタル化と関連づけて語られるが、本稿では、ミュージアムという収集・保存・展示・研究・教育機関の「機関アーカイブズ」を核にもつ多様な存在と捉える。ミュージアム・アーカイブズは、蓄積されてきた、意思決定のプロセスを明らかにする管理運営記録を保存し、それを活用する「機関アーカイブズ」であると同時に、さまざまな収集を行うアーカイブズである、として、米国や英国の事例を紹介する。さらに、公文書等の管理に関する法律の影響やMLA(博物館・図書館・文書館)連携の状況を俯厳し、日本におけるこれからのミュージアム・アーカイブズを共に考える基盤資料としたい。