発達支援学研究
Online ISSN : 2435-7626
クラス集団で協同活動をするための話し合いへの5歳児の参加に関する研究
施設の方針と保育者の認識の影響
杉山 弘子本郷 一夫
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 5 巻 2 号 p. 46-64

詳細
抄録
本研究は、施設の方針と保育者の認識がクラス集団で協同活動をするための話し合いへの5歳児の参加度にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とした。幼稚園・保育所(園)・認定こども園で5歳児を担任する保育者を対象に郵送による質問紙調査を行った。384名の有効な回答を分析した結果、(1)「子どもの自由な遊びの選択」についての施設の重視度、(2)担任の5歳児に育てたい力としての「感性」の重視度、(3)担任の小集団での協同活動とそのための話し合いについての「子どもの自発性」の重視度が高いと、クラス集団で協同活動をするための話し合いへの子どもの参加度が高いことが明らかになった。さらに、担任の小集団での協同活動とそのための話し合いについての「子どもの自発性」の重視度には、「子どもの自由な遊びの選択」についての施設の重視度が影響していた。以上より、子どもの自発性や主体性、自由な表現を尊重することが、協同活動のための話し合いの発達につながると考えられる。
著者関連情報
© 2025 日本発達支援学会
次の記事
feedback
Top