発達支援学研究
Online ISSN : 2435-7626
プレイルームでの親子の自由遊び場面における乳幼児の移動軌跡の分析
大学の運営する地域子育て支援拠点での検討
中村 敏清水 寛之村上 佳比子
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2025 年 5 巻 2 号 p. 65-86

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抄録
本研究は、地域子育て支援拠点における子どもの利用者に関する行動データを提供すること、および、そうした場での子どもの行動データを収集する技法について検討することを目的として、近畿地方の大学が開設している地域子育て支援拠点を利用する子どもの活動に関する調査を行った。調査には7名の就学前の乳幼児が参加した。調査では、各対象児とその保護者はプレイルーム内で自由に活動を行い、その様子を撮影した。対象児が入室してから最初の30分間を分析対象期間として、その期間の映像を約1秒ごとに静止画として抽出し、対象児が地面と接する座標のデータを収集することで、各対象児の移動や滞在のパターンを分析した。分析結果から、対象児の活動域や滞在箇所は歩行能力や配置物、遊びの内容といった要因の影響を受けることが確認された。これらの結果をもとに、本研究のように子どもの行動を数値化して分析することが今後の地域子育て支援拠点における子どもの利用者を対象とした研究および施設の運用の改善に有効活用できる可能性について論じた。
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© 2025 日本発達支援学会
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