抄録
発達支援を行った場合、その支援が適切であったか、効果的であったかを振り返ってみること、すなわち評価することが重要である。発達支援の評価においては、行った支援内容だけでなく、支援目標、発達アセスメントの妥当性などを検討することが求められる。子どもによって支援目標は異なる。その点で、発達支援における評価は、原則として絶対評価(目標準拠評価、到達度評価)である。しかし、集団適応や仲間関係を考えた場合、相対評価(集団準拠評価)も念頭に置く必要がある。一般には、支援目標が達成された場合は、その支援を継続し、支援目標が達成されない場合は、その支援を変更することになる。しかし、支援目標が達成された場合であっても、①偶発的な要因が関与した場合、②支援対象の子どもにおいて他の領域に望ましくない変化が起こった場合、③他児や保育者などに否定的な影響が現れた場合などには、支援を変更することが必要となる。なお、評価において、短期的目標の達成の有無だけに目を向け過ぎると子どもの発達が見えにくくなってしまうため、注意が必要である。