抄録
本研究の目的は、中国のソフトパワー戦略における対外中国語教育実践の実相の一端を解明することである。2021年10月から11月にかけて、G大学孔子学院の利用経験者5名に孔子学院のプログラムの利用についてインタビュー調査を行った。その結果、第一に、利用の契機や利用目的は親、教師、仲間からの影響などがあった。第二に、孔子学院の利用経験者の終了後の活動状況と自己評価は概ねポジティブなものであった。第三に、利用経験者の現在のキャリアへの影響についての認識は積極的であった。また中国とのつながりに対する考えも前向きであった。この研究は、中国の対外言語教育政策と具体的措置の直接的な受容者の反応を、孔子学院の利用経験者を通して、実証的に明らかにするという意義があり、また、その研究結果は、孔子学院利用経験者のみならず、広く外国語教育について、学生の動機付けの方法を検討する資料を提供するものとなった。